恋……スル?-菅野 聡 編-
私はバッグからお財布を取り出して、小銭を自販機に入れた。



「いいよ。
さっきの冗談だから」



「何言ってんのよ。
ほら、私の気が変わらないうちに言いなさいって。
コーヒーでいい?」



「あ…うん」



リュウジったら、何今更遠慮なんてしてんだか。


私はコーヒーのボタンを押すと、ガコンと落ちてきた缶コーヒーを取りだそうと屈んだ。



「さてと、じゃあ私も同じに――――…」



自販機に手を入れてあったかい缶コーヒーを掴んだ時、私は足元に落ちている紙切れに気付いた。



「ぁ…」



小銭を出す時に、間違ってお財布から落ちてしまったんだろう。

それは、一度は捨ててしまおうと思っていたあの映画の半券だった。



(あぶないあぶない…)



私は慌ててその半券を拾った。
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