知らない闇と、骸


私の視線に気がついたジロは苦笑して口を開いた。
「悪魔族っつーのは、妖魔族よりも力が強い。だけど、その分弱点が多いんだ。」
「強い、の・・・?」
「まぁな。魔界のランクは決まってる。悪魔族、妖魔族、魔女族、魔族、獣族。ってな。」
空中にピラミッド型グラフを書くと、ジロは怪しく笑う。
「だから、もしかしたら、この部屋は呪われてるかも知れねぇ。」
「それでも・・・。お父様の死にかかわっているかもしれないわ!」

そこまでいって、よく考える。



妖魔族のほうが、弱い。
ならもしも中に悪魔族がいた時、まっさきにジロが狙われるのでは?
そうなったら、無関係のジロを巻き込むことになる。
・・・そんなの、いや。

「ねぇ、ジロ?」
「・・・俺の主は、お前だからな。一人で行かせるようなことはしねぇよ。つーか、俺たちは死なない。これも、妖魔族の特徴だ。他族は死ぬからな。」


その言葉に、うなずく。
本当はすごく怖かったの。

だから、あなたがいてくれてうれしい・・・。





< 40 / 47 >

この作品をシェア

pagetop