知らない闇と、骸
ジロの、大丈夫だ、という視線に心の中でそうだよね、と答える。
それから私の腕できらめく腕輪を見た。
私はジロの主だから、ジロを守らなくちゃ。
大丈夫よ、私ならきっとできるよ・・・。
意を決して、取っ手を掴む。
それから、思いっきり中に押し出した。
部屋の中は明るい。
奥のソファーに一人の男の人が座っていた。
高級なビンテージワインを、有名デザイナー、アレグロ・マレギーッタのデザインした一点もののワイングラスに入れて、薫りを楽しんでいた。
「あいつ、強いぞ。」
ジロが耳元でささやく。
「よぉ、アレン。久しぶりだな。」
その声に、振り向いた彼の顔に、
私の体は金縛りにあったように動かなくなる。
どうして・・・
どうしてあなたがここにいるのよ・・・?
ねえ、どうして・・・?
・・・・・・・ルーク。