複雑な感情、365日。


その後普通に呼ばれた保健の先生は
あたしを診てくれて
シップやら包帯やらで
ちょっと大袈裟な気もするが
痛みは軽減した。

そして心配して駆け付けた涼香に
肩を貸してもらい、
自分の席に戻った。

「―――で、
今日はもう競技に出れないって」

「ふーん、で?」

「で?って何が?」

「高橋先生と、
デキてたんでしょ??」

「なんで!?
あれはただ単に近くにいた先生が
助けてくれただけでしょ・・・」
「いやいや」

涼香があたしの言葉を遮り

「だって、高橋センセ。
紗月がよろけるまで
本部席に立ってたはずだよ?」

「はあ?
なら絶対有り得ないじゃん」

あたしは得意げに
胸を張ったように言い放つ。

「そんな遠いとこから
あたしのとこまで結構距離あんのに
来れる訳ないじゃん」

「まあねぇ」

「うちらも
高橋センセが助けたとこしか
見てないもんねぇ・・・」

と、みんなはあたしたちの間に
そんな変な関係はないと
結論付けた。


わざわざ走ってきてくれたのは
嬉しいと思ったけど
あの素っ気なさは少し寂しい。

・・・っ寂しい!?



―――寂しいよ―――


< 18 / 22 >

この作品をシェア

pagetop