複雑な感情、365日。


「―――えーっと
今書いてもらったのは
自己紹介カード。
を、これから読んでもらいます」

教卓に両手を置いて
少し体重をのせた立ち方。
どこの先生もよくやる。

「じゃあ、まず俺から・・・」

そう言いながら後ろを向き
黒板に自分の名前を書いた。

「さっきも言ったけど
担任の高橋充です。
2・3年の理科担当する
新任教師です!
よろしくお願いします」

爽やかな笑顔を振り撒く。

そのまま質問タイム突入。

「彼女居るんですか??」
「いません(笑)」
「好きな人は??」
「いません(笑)」
「好きな食べ物は??」
「しらすです(笑)」
「何でしらすなんですか??」
「今、ピーンktkrしたからです(笑)」
「真面目にやってくださいよー」
―――どっ

皆が笑いだす。

第2印象:
まあ、良い感じの先生じゃね?

「―――ーーー次ぎ、遠藤さん」

っと、無駄話が過ぎたようで
ボーっとしてたあたしは我に返った。

「自己紹介を」

「っあぁ、はい」

危ね危ね。
寝てなかったと思うけど
意識飛んでたわ。

「遠藤紗月、5月2日生まれのO型。
光葉小出身で、
部活は特に決まってません」

ガタっと、
それだけ言って席に座る。

パチパチっと小さな拍手が。

「えー次、大西さん」

「はい、ーーーーーー」

ふぅと軽く息をつく。

しっかし何にもないな、学校は。

暇すぎる。


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