複雑な感情、365日。
涼香とは結構離れた
出席番号31と書かれた席に着席。
と、高橋先生が入ってきた。
「座れー」
そう言いながら何やら
黄色っぽいプリントを配り始めた。
一番前のあたしは直接渡された。
スラリと伸びたきれいな指。
微かに上がる口角。
少々ドキッとしてしまった自分に
唖然としながらも
渡されたプリントを後ろにまわす。
紙の内容を見てみると
顔の中身はなく
輪郭と肩の部分が書かれていた。
自分を書けということですね。
早速書き始めた隣の男子の絵を
チラッと見てみると
尖った目
ゲジゲジ眉毛
裂けた口
鋭利な歯
穴が大きすぎる鼻
顔の原形すら留めてない・・・っ。
隣にも聞こえないように
小さく苦笑しつつ
自分のを書き進める。
その約5分後―――