†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
最愛の女―side 廉―


「あっ……れ、んっ…」




俺の背中に爪を立て、甲高い声を上げる樹里。




ここは俺のマンションの玄関先のフローリング。




俺は我慢できず、そのまま彼女をフローリングの床に押し倒し、その華奢で小さな体を求めてしまっていた。




「はぁ……はぁ……っ」




既に熱く火照った体は彼女も同じで、お互いに限界が近付いていた。




「やっ、廉……あたし、もう……」




「俺も、そろそろ……」




ポロポロと涙を溢す彼女を、本気で愛おしいと思う。




樹里の泣き顔を見るだけで……それだけで、理性がぶっ飛びそうになる。




「れ、ん……っ…」




「樹里……愛してる……」




壊れそうに細い体をきつく抱き締め、俺は律動を速めた。




樹里は涙で濡れた瞳で俺を見つめ、“好き”と呪文のように呟いている。




初めて会った日から……ずっと変わらない思い。




お前だけを守り、愛したいという思い。



< 50 / 179 >

この作品をシェア

pagetop