わたしのピンクの錠剤
 
着いたところは九十九里浜の近くの病院だった。

加藤先生は何度か来ているふうで、迷うことなく6階の病室に向かった。

病室は4人部屋で、大きな窓があり、そこから曇天に沈む灰色の海が望めた。

加藤先生は閉められていたベッドまわりのカーテンを少し開いた。

私は美智子先生の母親らしき人に目で笑いかけ、頭を下げた。


久しぶりの先生。


 
< 90 / 264 >

この作品をシェア

pagetop