幸せまでの距離

リクは納得すると同時に、内心に張り巡らせていたショウマへの嫌悪感がグッと薄らぐのを感じた。

「うん、たしかに……。

相手の考えを尊重したり理解しようとすれば、争いにはならないよね、きっと」

「わかってくれて嬉しいわ」

ショウマはリクに出会って初めて、心からの笑顔を見せた。


戦争は、両国の宗教の違い、人種の違い、思想の違いが原因で起きる。

ショウマはいつしか、それを日常生活にも当てはめて考えるようになった。


「さっきした話になるけど、好き嫌いだって、あっていいものなんだよ。

だけどそこでも、必ず2つの意見に分かれる。

『好き嫌いなんて、してはいけない』
『好き嫌いはあってもいい』

そこですでに、ぶつかり始めるんだ。

俺もだけど、人って身勝手ワガママ·貪欲(どんよく)な奴らばっかりなんだよ。

自分の生きやすい世界にするために、他をその色に染めようとする。

『いろんな人間がいていろんな意見があるから面白い』って言える人は少ないし、そういう人はすごいと思う。

自分と異なった考えが存在することを認めて、それらと共存できるんだから」

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