幸せまでの距離

二人の間には、そんな大きな違いがあった。

家庭環境、

親の性格、

育てられ方、

見てきたもの。


そんなに違い過ぎる二人が出会えたのはなぜだろう。

生まれた時から、家が隣同士だったから?

そう。それはかなり重要な要素だったのかもしれない。

だけども、それだけでは言い表せないはず。

少なくともリクは、そう思っていた。

“メイの幼なじみじゃない人生なんて、考えられない”


メイに恋をしていると自覚したのは13歳の頃。

だけど、本当はもう、物心ついた時からずっとずっとメイのことを想っていた。


松本リク。18歳。

大学生になる前の春休み中、

長年に渡るこの想いを、ついにメイに打ち明けることができた。

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