君の涙にキスを ~燐&蓮編~
「俺、人間界で好きな奴が出来たんだ。だから、澪との婚約は解消する。」

「え?人間?」

「後で、小父さん達にもちゃんと言うから。」

「でも、私は・・・」

「澪。もう自分に嘘付かなくてもいいから。」

俺は澪の肩に触れ、向き合う。

澪の瞳が揺れている。


「俺、知ってるから。澪の本当の気持ち。」

「う、嘘・・・。」

「あのね。澪と蓮とずっと一緒にいたんだよ?澪が誰を見てるか分かるって。」

澪の大きく見開いた瞳から、涙が1つ零れおちた。

「ごめん。ごめんね、燐・・・。」

顔を両手で覆い、声を押し殺し泣き始める。


やっぱり、女の泣き顔は苦手だ。

思わず澪を抱きよせ、背中をポンポンと優しく叩く。


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