君の涙にキスを ~燐&蓮編~
「澪が謝る事ないよ。もっと俺達がしっかりしていれば良かった。あの時も・・・小父さんと俺の父親が婚約決めた時も。」

ただ、俺達は幼すぎた。

婚約の意味も、許婚の意味も分からなかった。

ただ一緒にいれるって喜んでいた。


「澪?」

「・・・なに?」

「無口で頑固な兄貴だけど、ヨロシクね。」

「え、でも・・・。」

「大丈夫。じゃぁね。」


まだ涙の乾いていない澪を、そのまま部屋に残すのは

ちょっと辛いけど、でもこれ以上傍にいる資格は俺には無いと思った。


「ねぇ、燐。」

「ん?」

「燐、変わったね。」

「そう?」

「うん。カッコよくなった。その人間のお陰?」

「ん~、そうかも。」


お互い笑い合って、別れた。

さぁて、後は小父さんだな。殴られるの覚悟しておこう。
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