君の涙にキスを ~燐&蓮編~
「久しぶりだな、燐君。澪にはもう会ったのか?」

「あ、はい。それで、澪の事で話があるんです。」

「なんだ?」

俺の雰囲気を察したのか、怪訝な顔で見る。

「・・・婚約の事なんですが。無かった事にしてもらえませんか。」

90度くらいまで腰を曲げ、頭を下げた。


「何故だ?澪では不服か?」

小父さんの声が、一気にトーンが下がる。

「そうではありません。澪は、俺には勿体ないくらいです。」

「では・・・」

「俺、別に好きな奴が出来たんです。」


「そうか・・・頭を上げなさい。」

あれ、許してくれるのかな?

と俺が頭を上げた瞬間、思いっきり拳が飛んできた。

その勢いで、床に倒れ込んだ。

「ふざけておるのか!!」

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