テディベアの彼女
『私、2年前まで病で入院していたんです。』

テディベアの中の少女が静かに語りはじめた。


『小学校二年生の夏、
異変を感じて病院に行ったときに、担当の医師から白血病だと言われました。

それから三年と半年。
私はずっと病院でつらい闘病生活を送っていました。

その間に
最初はお見舞いに来てくれていた友達は私の事を忘れ
だんだんと来る人も回数も減っていって、
ちょうど寂しい思いをしていた時に、たまたま病室が変わったんです。』


少女が、どこか遠くをみるような目になる。


『移動先の部屋は4人部屋だったんですけど、
その時は私の他に、年下の小さな男の子と
私より年上の男の子の2人しかいませんでした。

その部屋の一番奥。
窓際のベッドが新しい私の生活空間になりました。』

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