テディベアの彼女
『2人とはすぐに仲良くなって、
沢山3人で遊んだけど、やっぱり暇な時間は沢山あって、
さみしさも消えなかった。

私は、窓の外をみてぼーっと過ごすことが多くなりました。』


そこで、彼女の目が細められた。

眩しいものでも見るかのように。


『そんな日々を繰り返していたある日、
病院の裏にある公園で
友達と楽しそうに遊ぶ男の子を見つけたんです。

最初は友達と遊ぶ彼がうらやましかっただけだった。

でも、次の日に小さな女の子と遊んであげている姿をみて、
なぜか、ひかれたんです。』


自分にないものをもっている"彼"。

少女にとってはまさに光だったわけだ。


『退院したら、話してみたいとおもってました。

でも、彼はその年に中学校を卒業してしまった。

それ以来、彼を見かけていません。

私は、彼に話しかけることのできないままに
ここで、死んでしまったんです。

死んだ時の状況は、よくわかりません。』
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