テディベアの彼女
"心配しないで見てろ。"

そう言われて、テディベアの中から事の一部始終を見てた。


よくわからない言葉と

不思議な手の動き。

終いには私の身体が光って…


気づけば、私が取り憑いているテディベアは
茶髪ショートのかわいい女の子になっていた。


「終わり。
これで霊感ない人にも見えるようになった。」


霊感ない人にも?


「私が喋ってるの、聞こえるんですか?」


びっくりした顔で陰陽師さんを見る。

嘘なら、はやく言ってほしい。

そんなお願いは無視して、陰陽師さんは


「あぁ。今度はしっかり聞こえてる。」


と柔らかい表情で笑って

私の頭をくしゃりとなでた。


そして最後にぽん、と頭を軽く叩いて


「とりあえず、車に戻るか。」

そう言って、私の頭にあった手で私の手を掴んで進みはじめた。



お父さん、お母さん。

私、行くね。

たった一つの未練をなくすために

私はこの人についていきます。



掴まれた手に力を入れて

陰陽師さんの手をぎゅっと握った。
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