テディベアの彼女

「俺の職業はな、陰陽師なんだよ。」


そう言いながら印を組む。


「そのテディベアにちょっとした術を複数かけてく。

お前は心配しないで見てろ。」

そこまで言って、真言を唱えに入る。

ぱあああ、とテディベアが光に包まれ、少女の姿になる。

そして、さらに違う術をかけて
霊を視る力のない人にも見えるようにする。

作業は一瞬だが、力と気力をかなり消費した。


だがその分、いい出来映えだ
と俺は思った。





俺の目の前には、
ショートの茶髪と
漆黒の瞳。
見た目小学校5年生くらいの
かわいい女の子がいた。

そして

それに重なるように薄く見えるのは
ロングのきらめく白髪に
栗色の瞳。
見た目小学校3年生の
これまたかわいい女の子。


道からそれた死者の魂を、正しい道に戻すのは陰陽師の仕事。

さて、仕事しますか。



また長期になりそうだ、とは考えながらも
そこまで嫌だとは思わなかった。
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