テディベアの彼女

名前。

…お父さんがつけてくれたんだと、お母さんに教えてもらったことがある。


「良。良いって書いて"まこと"です。」


「良、ね。じゃあ俺はこれからその姿の良ちゃんを"りょう"って呼ぶことにする。

もし本家で何か聞かれたら、"りょう"って答えて。」


真剣な顔で言われたから、何か重要なことなのだろうか。

わからないけど、陰陽師さんの言うことは守った方がいい。


「わかりました。」


新しい姿。

新しい名前。

生まれ変わったみたいだ。


「そうそう。俺の名前も言ってなかったよな。」


私、陰陽師さんって呼んでるしね。


「でも教えない。」


「え?!」


何?!え?!何?!

最早ちょっとしたパニック状態だ。

そんな私を落ち着かせるみたいな低い声。


「嘘うそ。俺はみきひと。新幹線の幹に一斉の斉で幹斉。」


「みきひと…?」


「うん、良。」


なんだか嬉しくなってクスクスと笑ってしまった。
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