テディベアの彼女
結局私は幹斉のことを呼び捨てで呼ぶことになった。

名前を知り、車の中で長時間2人っきりということもあってか、
私は幹斉にかなり心を開きつつあった。


「幹斉。なんで、名前、りょうって…」


「ん?」

幹斉はちら、とこちらをみたけど、
運転中だからかすぐに前に視線を戻した。


「ああ。いや、家ってさ、陰陽師家系だから…」


「?」


「ある程度の事情は察してくれるだろうけど、あまり詮索されないのに越したことはないだろう?」


ああ、そういうこと。

つまり、あれだけの大事故で死んだ私の名前は、当然ニュースなどで流れるだろうし、
陰陽師さん達には私が霊であることもわかる。

幹斉が関わっているから、何か事情があるのは察するが、
気になる人は詮索してくるかもしれない。

事故があったばかりの私には
それは辛いことだから。

と気を使ってくれたわけか。


「あと、術がかかりやすくなる。」


名前は、短い呪だからな。

と小さく続けたのを私は聞き逃さなかった。
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