夜籠もりの下弦は恋を知る
言い聞かせるように耳元で囁く。
「俺が愛しているのは貴女だけです」
昔も今も、本気で手に入れたい女性はただ一人。
「子供がほしいんでしょう?大学を出たら…いや、高校を卒業したらすぐにでも結婚しましょうか。俺が貴女の家に婿として入ります」
彼の未来計画に、潤は驚きと嬉しさで自然と涙目になった。
「ほんと…?」
まだ、信じられない。
「ほんとに…また、私でいいの…?」
彼の言葉が実体のない夢のようで。
「はい。貴女がいいんです」
彼の笑顔が視界に迫る。
優しい口づけを受ける潤の唇は、感極まって愛しい人の名を呼び続けた。
「重衡さ…重衡さん…!!」