夜籠もりの下弦は恋を知る
潤の不安な心は、力強い腕によって落ち着くよう誘(イザナ)われた。
「し…重衡、さ…」
いきなり抱きしめられた。
「許してほしいなんて、言える立場ではないとわかっています。けれど許してほしい。………貴女と一緒にこれからを生きたいから…」
「え…それって…」
「わかりませんか?貴女と結婚したいと言ってるんですよ、潤…」
直球なプロポーズに、顔が熱くなる。
潤は重衡に抱きしめられながら、早鐘を打つ心臓をどう静めようか必死で考えた。
「で、でも、彩音さんはどうするの!?前世で子供がいたって…」
「彼女は関係ありません。もちろん…彼女にも子供にも悪かったとは思っています。ですが、前世のことを引っ張って貴女との未来を壊すようなことはしません」