Diva~見失った瞬間から~

「そこのソファに座ってて。」

葉月君は

目の前の真っ黒なソファを指差した。

………凄く高そうなソファ…。


座るのには若干躊躇したけど、

他に出来ることも無さそうなので

私は葉月君の言う通りに

大人しく座ってみた。


真っ黒なソファは私を受け入れる。

……すんごい座り心地良いんですけど。

真っ黒なのがまた格好いい。


私はソファの心地良さに感動して、

気が付くと

葉月君の姿が見えなくなった。


「………葉月君?」

私の細い声は沈黙に消えた。

しーん…。


「………。」

どうしよう。寂しいよ。

葉月君に付いていけば良かった…。


「………葉月君…。」

早く帰ってきて下さい。

私1人にこのリビングは広すぎます。


「……ゎっ…。」

急に肩にズシッと重みを感じた。


「どうした?カナ。」

その直後、優しい声がした。


寂しさを一瞬で吹き飛ばして、

安心感で一杯になる。



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