Diva~見失った瞬間から~
「………わっ。」
あれ。葉月君の声は
後ろから聞こえていたハズなのに
目を開けると
葉月君は私の目の前に居た。
「カナ。これ。」
葉月君はそう言うと、
フッと横を向いた。
………横顔も格好いいよ。
って、違うよね。
葉月君は、その綺麗な指で
自身の耳を差していた。
その耳には、
葉月君の誕生日に私があげた
エメラルドグリーンのピアスが
輝いていた。
「うん。知ってるよ。葉月君に
似合ってて良かったって思った。」
気付いた時は本当に嬉しくて、
しばらく葉月君の耳を凝視してた。
「俺にはエメラルドグリーンが
似合うってカナは言ってくれたから、
俺もカナに似合う色を探したんだ。」
「……私に似合う色?」
「そう。」
葉月君は微笑む。
「で、俺が1番似合うと思った色は
今カナの首元で輝いてるその色。」
「え、首?」
嘘、何か付けてたっけ。
「ん。第2ボタン外して。」
スッと葉月君の手が首元に伸びてきた。