Diva~見失った瞬間から~

町中を少しふらふらする。

洋服屋。宝石店。

アクセサリーショップ。

眼鏡ショップ。靴屋。ファミレス。


私はそれらの店々を見ては通り過ぎる。

行ったことが有る店、

行ったことが無い店。

その全ての店々の目の前を歩く。


「………。」

そして私は立ち止まる。


私が立ち止まるのは、

葉月君のピアスを買った店の前。


…………そうだ。


《カランカラン》

私は店内に入った。


この店の内装が個人的に好き。

無駄にキラキラしてなくて、

なんか良い。


私は店内を真っ直ぐと歩く。

目指す先は、カウンター。


カウンターに着くも、

店員さんは居ない。

…………呼ぶか。


「すみませーん。」


「………。」

返事が無い。

誰も居ないとか?え、お店なのに?


「すみませー…ん…。」

もう1回。


「…………。」

…………駄目かなぁ。

諦めるか。


と、私がカウンターに背を向けて

帰ろうとした時。


「はいはーい。」

来た。




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