愛しい恋



「ゴキブリ怖かったぁ。優雅さすがね。ありがとう、捕まえてくれて。」


「…先輩が怖がってたから、取って捨ててやりましたよ。もう大丈夫ですから。」


ズキンと胸が傷んだ。


あ、私のためじゃない…のか。


何を浮かれていたんだろう。



ポッカリと空いた心の穴には、冷たい風が通り抜ける。



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