魔物☆に恋して
言って、自分の指からひとつ抜き取ると、

あたしの指をつかんだ。

左手の、中指。

その指に、するっと輪を落とす。

ゆるゆる。

振って見せると、

マヤは、あたしの左手を、両手で包んだ。

ほんの少しの間。

マヤの手が離れると、

指輪はあたしの指にぴったりはまってた。


「一回だけ、身を守ってくれるよ。

心の中ででも、言葉にしてでもいいから

『助けて』って叫ぶんだ。勝手には機能しないから」

「わかった」

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