ミルクの追憶





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満月の夜。

雲に囲まれながらその妖艶な黄金色は夜闇に輝き、一人の少女を浮かび上がらせる。



「……わたし、」


少女が目を覚ましたのは柔らかい草の上だった。

まず土と葉の匂いがして、それから目に飛び込んだのは満月。

起き上がって周囲を見渡すと一面草原だった。

その奥にお城のように大きな洋館が漆黒の空に妖しく聳えていた。





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