恋はいっぽから!
「……にゃ~……」
「……う~ん……。仁志…先生?」
「……にゃ?」
「駄目です、そんなこと。」
「にゃ~お♪」
「貞操は守れと言われていますから!」
パチっと目を覚ますと……。
「……にゃ~?」
目の前には……
フクくん!
しかも!!
私に接吻中……!!!
「………おはよう。」
「……………?」
夢………?
……現実……?
フクくんの奥には……
私と同じ、ごろんとアタマを横にした……
ニシハルの顔。
「一体どんな夢見てたんだ?」
「…………!」
なんてこと!
そんな色気たっぷりの顔をされても……
困るわ。
……い、言えない…。
「…お前もそういう夢、みるんだな。」
ニッ。と笑うニシハルの顔は……
唯一の障害物(フクくん)がなければ……
息遣いを感じるくらいに、近い距離。
寝転んでいるせいか……。
顔が優しく見える。
眉が垂れてて……
可愛いわ。
「にゃ~……♪」
「…………!?」
フクくん…?!
待って!
どちらに行かれるとですか?!
「「…………。」」
これじゃあ……、
まる見えじゃなかとですか~っ!!!!
「……空気の読める猫だな。」
「………。フクくんは賢い猫ちゃんですから。」
「……ふ~ん…?」
何やら……
顔が熱いわ。
先生……、いつまでこっちを見ているのかしら。」