恋はいっぽから!




玄関先で親父殿に見送られて……、




先生の車に、宏輔と先生が。



後ろから、母上がついていく形で……



それぞれが車に乗り込んだ。





助手席の窓を開けて……





「今日は楽しかったよ。」



先生が微笑む。




「何でまたそんな薄着で出てくるかなー?風邪ひく。見送りいーからいますぐ家に入れよ。」
(注:いっぽはまだ稲葉さん仕様です)



…そう言って。


私の手を…ぎゅっと握りしめた。





「先生……?みんなに見られています。」



「今更もう気にしなくていーんだよ。」





……と、言っておりますが……



「手、離せっ!窓しめるぞ、このエロ教師!」




後ろの方がすごい形相で睨んでいますが……??




「……冷たい手だな。」



「…………?先生…?」




どうしたのかしら……。





一向に手を離そうとしない彼に、


背後の宏輔が…苛立ちを隠せずにいる。





「……仕方のない駄々っ子ですね。」



「……は?(イラッ)」





「……おやすみなさい。」





私はニシハルのその手に、




そっと口づけすると……。






        、、 
「……また明日…でし!」


おマヌケな決め台詞を残して…





一目散に、逃げ出した。






相当イカれた……行動。




ドキドキは収まることを知らずに。





玄関のドアを閉めてなお……




続いたのだった。






先生の手は……




あったかい手。




これからあの大きな手で、



私はどんな風に癒されていくのだろう……。










< 506 / 1,065 >

この作品をシェア

pagetop