恋はいっぽから!
「ど〇ぐりこ〇こ〇泣いてたら~♪なかよし…」
「………。何だお前普通に歌えんじゃん。」
肩を並べて歩く高津くんが、苦笑する。
「…人前で歌い上げる度胸がないの。」
「……。今思いっきり歌ってたぞ?」
「…だって今は二人きりだし。高津くんしかいないじゃない?」
「………。それって、俺の前なら大丈夫ってこと?」
「……はい。勝手ながら、莉奈ちゃんに次ぐ友人だと思っていたけど。」
「………。ああ…、そうなんだ。」
高津くんは……
長い睫毛をパチクリさせて。
じっと私を見た。
「……ドライアイになるよ?」
「そん時はお前お得意の目薬借りるからいーよ。」
「なんでやねん。」
はい、ここでツッコミ。
私たちの…お約束。
たまにはボケとツッコミかえないと、ファン(主に莉奈ちゃん)に飽きられちゃうからね。
目指せ……、タカアンドト〇!
(注:本気です)
しばらく、高津くんとあーだこーだとしていると。
「…おおっ?」
急に……
彼は立ち止まった。
「……三船。マジで目薬の出番だ!」
「……?!何事?」
「多分睫毛が目に入った。」
「………アラ。そんな長い睫毛してるからよ。」
「そりゃお前もだろう?」
大きな瞳から……一筋、
涙が流れる。
「………。男の涙って意外と魅力的なのね。」
私はスカートのポケットから目薬を取り出すと(注:常備しています)………。
「…はい、どうぞ。」
高津くんに差し出した。
「おう。悪いな。」
彼は天井を見上げて。
目薬を逆さまにするけれど……
「……高津くん。あなたもしや、怖いのでは?」
その体勢のまま。
雫がたれおちることはない。
「…こえーだろ、そりゃ!俺、先端恐怖症なんだ。目薬の先っぽ見ただけで身震いするし。」
「……あら、意外。なら思いきって私がさしましょうか?」
「………。それ、いいかも。」
彼は……
泣きながら笑った。