恋はいっぽから!
昼休み………
ニシハルに呼び出された私は、職員室にて…彼と対面中。
「…で、お前はいつまで根に持ってんだよ。俺の授業でまでそっぽ向きやがって、感じ悪ぃーぞ。」
「…お言葉ですが、ちゃんと声は聞いておりました。それに、ちゃんと問題にも答えたじゃないですか。」
「まあ、それはそうだが…。」
「「……………。」」
しばし…、両者で睨み合い。
「三船さん。口を慎みなさい。」
本年度よりニシハルデスクの右隣りを陣取ったお局先生の茶々が入り……
そこでようやく、視線を逸らす。
「…………。まあ、俺としては…、お前が『貞子』になる姿想像しただけで、けっこー萌えるけどな。」
…………………!!!
も…………、
萌え…?
上目遣いでニヤリと笑うニシハルに。
私は…一気にハートを射ぬかれる。
「ニシハル殿……。」
私は彼の手をキュッと握りしめ。
今感じるキラッキラの感情を……伝えていく。
「しかと…心得ました。貴方の多大なる期待に添えるよう…精一杯頑張らせていただきます☆」
「ああ、期待してるよ。(ニヤリ)」
お局サマが二人の手をひき剥がすも、そんなことでは…怯まずに。
「先生、私に…惚れるなよ?」
「ハイハイ、十分気をつけるよ。」
にこり、と笑って……
職員室を後にする。
「…まあ!あのコは相変わらず態度がデカイのね。仁志先生もたまには注意しないと!」
「……。まあ、あれはあれで頑張ってるので…、無駄に水を挿したくないんですよ。受験生にナーバスになられては困りますしね。」
「………。貴方は生徒思いねえ…、頭が上がらないわ。」
「………。あれ、今の三船だったの?」
「…寺澤先生。ええ、そうですが。」
「…へぇ~…、何かどんどん雰囲気変わっていくな。すごくやわらかくなったよなぁ…。よく笑うようになったし、一瞬誰だかわからなかったよ。」
「ああ。…そう…ですね。いつまでも…子供じゃないってことかな。」