恋はいっぽから!
「いいなあ、いっぽ。ニシハルとサシで会えるなんて。」
授業終了とほぼ同時に…。
前の席に座る、私の心の友·太田莉奈が…くるりとこちらに振り向いた。
「…どーせくだらない説教でしょ?」
「イヤイヤ…、どう考えても寝てる方が悪いでしょ~?私も寝ると良かったかな。」
「いーえ。眠たくなるような授業をすることが問題なのよ!じゃあさっさと行って戻ってくるから。」
「も~…。ホンット相性悪いんだから。はいはい、んじゃー先に教室移動してるからね?」
莉奈ちゃんは呆れ顔をしながらも、優しく私を受け止めてくれる。
さすが、長年の付き合いだけあるわ。
私は莉奈ちゃんに手を振って。
天敵である彼の元へと……
急いだ。