私の恋の相手は幽霊くん。


坂上くんはまた、歩き出した。


私はどうしても近づくことができない。


「行くよ」


「…ご、ごめん」


動けない私はじっと地面を見ていた。


「…ゆあ?」


向こうから大好きな声が聞こえる。


聞くだけで安心しちゃうなんて。


ほかの女の人とキスしても、好きなんだって。


もう、異常だよね。


「松永」


「…ん?」


そっと顔を上げると、前には坂上くんが。


その、斜め後ろには篤真がいた。


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