俺と初めての恋愛をしよう
「林さん?」

 声を掛けられて振り向くと、医務室の植草がいた。

「あ、先生。こんにちは。昨日はお世話になりました。後でご挨拶に伺おうと思っておりました」
「もう顔色もいいから体調は心配なさそうね」
「はい。お陰様で」
「もう、戻るの?」
「ええ、涼しいところはどこも混んでいてゆっくり出来ないので、諦めて戻ることにしました」

 今日子は、手に持っていたアイスコーヒーのカップを見せた。

「じゃ、ちょっと寄らない?一緒にコーヒーを飲みましょう」
「あ、はい」

 ちょうど来たエレベーターに二人で乗り込んだ。
 植草は、ポケットから医務室のカギを開けて、中に入る。

「ふう、暑かったわね。いつまでこの暑さが続くのかしら」
「本当に」

 植草はハンカチで額の汗を拭くが、今日子は以外にも涼しい顔をしている。

「でも、林さん、この暑さに長袖は更に暑いんじゃないの?」
「え、そうでもありません」

 今日子は出来る限り体は隠しておきたい。だから夏でも長袖を着ていのだ。
長年の習慣で、身体も慣れるのだろうか。

「やっぱりそういうケアが白肌を保つ秘訣なのよね~。本当に透き通るような白さの肌ね。うらやましい」

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