誰も信じない
パニックになっていたし、すっごく怖かった。父を『父』として見られなかった。『男』としか見られなかった。



それも『汚らしい男』としか。


急所を愛撫するふりをして、私は思いっきり急所を握った。


「ぎゃ!」


急所を押さえて痛がる父を置いて、私は部屋を飛び出して外に逃げた。

怖かった。すっごく怖かった。





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