誰も信じない

電話

「橘さん、一番にお電話です。」


「はい。」


私は事務だから、めったに電話はかかってこない。誰だろう?


「もしもし、お電話変わりました。橘です。」


「美穂。」


母だった。


「どういったご用件でしょうか?」


普通に話したくない。事務的にしか話せない。


「美穂。お父さんが倒れたのよ。」






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