誰も信じない
ある日、両親が飲みに行った。

私はこの日がチャンスと思い、最後の荷物を持って家を出た。もうこの家に戻ることはないだろう。


『今までお世話になりました。探さないで下さい。』


そう書置きを残し、私は一人暮らしを始めた。携帯の番号も両親は知っているので、出て行った翌日にすぐに番号を変更した。



だから私は両親も信じない。

あの時の心の傷は、今でもはっきりと残っている。




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