誰も信じない
「いらっしゃいませー。」


店員さんの挨拶の言葉は、私には聞こえなかった。それくらい、天野さんの話はおもしろくて楽しくて、店員さんの声も周りの声も、まるでBGMであるかのように気づかなかった。


「あ!天野さん!」


その声に振り返った。



!!!


新田さんだった。


「ああ、新田かー。何だ、二次会はここか?」


「カラオケ組と分かれました。(笑)」


新田さんには、天野さんと二人きりでいるところを、見られたくなかった。





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