誰も信じない

二人きり

結局、送ってもらうことになった。


「天野さん、すみません。まだ他の方と飲んでてよかったのに。」


「気にしない。(笑)」


二人きりで駅へ向かう。時間も遅いからか、人通りが少なかった。

本当は一人っきりになりたかったのに。


「橘さん、土曜日ヒマ?」


「空いてますけど?」


「よかったら、どこかに行かない?どこか行きたいところってある?」


行きたいところって、特にないかもしれない。見たい映画もないし、遊園地ってガラじゃない。





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