誰も信じない
愛理の時みたいな思いを、またするんだと思っていたから、寺田さんの話を聞いているうちに、力が抜けてきちゃった。


ガシャン!


気づいたら、食べかけのお弁当を地面に落としてしまった。


「大丈夫?」


「ごめんなさい。何かホッとしたら、力が抜けちゃって。(笑)」


「やっぱり噂は違っていたんだね。(笑)私の予想通り、橘さんは一樹が好きなんでしょ?」


何て答えればいいの?

噂は本当だけど、新田さんが好きなのも本当なのに。


「まさか噂、本当なの?」


私は、



ただ力なく微笑むしかできなかった。






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