誰も信じない
やっと晃一が私を解放してくれた。


「僕は美穂を諦められないんだ。新田が好きだって言われた後、しばらくは何度も何度も美穂を諦めようとした。何度も何度も忘れようとした。でも『好き』という感情は、自分じゃコントロールできなくて。」


「うん。」


ドキドキ


私の心臓がドキドキしてきてる。

晃一の包み込むような気持ちに触れたから?

すごくね、すごく優しく包まれたように感じるんだ。


「私、帰るね。」


晃一の返事も聞かずに、車のドアを開けて、走って自分の部屋に戻った。








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