T.M.City
 「……」

ルリは命の木の枝々を無言で見詰めていた

何も考えず、ただ憂鬱な感情だけが胸を締め付けていた

誰もいない空間に、何者かの声が聞こえてきた

 「またサボり中?」

聞き覚えのある、柔らかくて、可愛らしい声だ

驚いたルリは慌てて立ち上がった

辺りを見回しても誰もいない

ルリは幹を飛び降りて七色の雲の上に着地した

再び辺りを見回しても、誰の姿もない

< 78 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop