好きと嫌い

「どーしたの?席座らないの?」

暫く教室の隅でボーッとしていたら突然声をかけられた。ハッと声の方を見ると大きな目をクリクリとさせた可愛い女の子が立っていた。


「え、あっ・・・」

「もしかしてお腹痛いとか?大丈夫?」


恥ずかしさからモジモジした私を見て具合が悪いと勘違いした女の子は心配そうに私を見つめる。


「保健室行く?」

「だ、大丈夫!ちょっと緊張しちゃって・・・」


なんとか女の子にそう言うと私の顔がカーッと熱くなる。ああ、恥ずかしい!

女の子は私が具合が悪いわけではないと知るとパ~っと笑顔になり


「そうなんだ!良かった~。あ、私は曽我部梓!貴女は?」

「私は有坂えり、です。」


曽我部さんに握手を求められたのでとりあず握手を交わした。曽我部さんは少し制服を着崩したりはしてるけど怖い人じゃなさそうだ。良かった。


「えりちゃんね!あ、えりって呼んでいい?私の事も梓でいいからさ!」

「あ、うん・・・えっと梓ちゃん?」

「ちゃん付けか~ま、いっか!これからよろしくね、えり!」

「うん!よろしく。梓ちゃん!」

梓ちゃんという良い子と仲良しになれて良かった・・・まだこのクラスに不安はあるけど頑張ろう。

私は勇気を出して自分の席へと歩きだした。




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