私とテニスとあいつらと

美女と愉快な仲間たち

人に知られたくないものは、広まるのが早いんですね。

次の日、私は重い足を動かし学校へ向った。そしていつものように教室に入ると、またクラス全員の視線が私に集まった。
この視線にいい思い出がない私は、自分の中の何かが危険信号を出していた。


もしかして・・・・・

「美月、ちょっとこっちへ来なさい」
「はい・・」

私は蘭の言うとおりに、おとなしく用意された席に座った。
まぁ、ここは私の席なんだけど。

「美月あんた、修学旅行の班決まってる?」
「う、ま、まぁ・・・一応は・・」
「それって誰?」

蘭に聞いて欲しくないところをぴしゃりと言われ、机の下で握り締めていた私の手に汗が滲んできた。

「え~・・・と、その・・」

クラス中の視線が私に突き刺さっている。

「正直に言いなさい。美月には何もしないから」
「・・・・・・・・幸田たち」

下を向きながら、ボソッと聞こえるか聞こえないかくらいの声で私は白状した。
それとほぼ同時に、蘭は私の席の前にある自分の机を真っ二つに叩き割り、どこかへ走っていってしまった。
クラスの女子からは悲鳴に近い叫び声が。



だ、誰か私に救いの手を・・・!



そしてやっぱりその日の休み時間も、クラスの女子達から拷問のような質問攻めにあってしまった。

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