ダイアモンドリリー


、、、はっ!


今度は炎の中ではなかった。


落書きだらけの天井に

目の奥が痛くなるほどのまぶしい朝日がカーテンから漏れていた。


夢見てた、、?

なんで突然あんな夢を。

マンガの読みすぎ?







バタバタバタバタッ!!



バーーーーン!!!


「おきたーーー!」

「うぉうっ!」

「ゆなたんおきたーー!」

ドアをけ破らんばかりに飛び込んできたのは最近5歳になった妹だ。


いや、正確には義理の妹。


「おきたっおきたっ」

「わかった、わかったからそんなに抱き着かないでよ苦しい」

よっこらせ、と妹を抱え階段を降りると

降り切っていないのに朝から大騒ぎのリビングの音が聞こえる。


「何やってるのー?」




「あっゆなだ!」

「あのねー!クリスマスのけいかくしてるのっ」

「去年のやみなべは、もはや食べ物じゃなかったから失敗でしょー」

「今年はなにやろーかなって」


口ぐちに楽しそうにしゃべっているのはみんなゆなの妹や弟。

正確には義理の。

そう、ここは親に捨てられた子供や、身寄りのない子が集まる施設。


生まれた時からいる子が多いため普通の家とさして変わらない。




「あー、ゆなたんだぁー!今日も寝癖がすごいぞっ」



このふざけた男はこの施設でゆなより年上イタリア人だ。

学校ではモテてはいるが私的には中の下。可もなく不可もなく。


まず兄弟のようなものなので

実際のところかっこいいとかそういう目線で見られない。

「やっだーいっけなーい、私ったらこれじゃあ今日のデートに行けないわー」

「うそつけ、男なんて興味ないくせに」

「はっはっはっ寝癖なんてね、夕方には重力で直ってセットできているのだよ」


「女と住んでる気がしねー」


「女なんてどこにいるのさ、あーここにいっぱいいるよー!半分おむつしてるけど」


ゆなもたいがいふざけた性格だ。

というか、部屋に飾ってあるクリスマスツリー、、、


でかすぎて天井に付いてしまっている。そして首を90°に曲げ全力で耐えている。

「いや、クリスマスツリーっていうか、、、家に入り切ってないじゃないですか!てゆうかまずどうやって入れたんだよ、どっから持ってきたんだよ!!」


出たな、妖怪ツッコミャー。

突っ込みのためだけに生まれてきたようなガリ勉ヤローだ。


「てゆうかフェル、昨日またあんたと間違えて女子が手紙よこしてきたよ机の上に置いといたから何とかしてよ」


「なんだよ朝からガリガリガリガリ、あ、カリカリだった」

「、、、バカにしてるの?」

朝からケンカばっかり。

しかしこの二人は双子の兄弟である。性格は正反対であれど顔は見分けがつかないほどそっくりだ。


金髪に近い茶髪で身長はともに175CM目は茶色で同じ顔が2つある。


この二人は私が10歳の時に施設に入った。

詳しくは知らないがここにいるのは皆何かしら理由があるので自分から聞いたことはない。


「あの変なおじちゃんたちは放っておいてお部屋の飾りつけをしましょうねー」

「「誰がおじちゃんだ」」



















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