あ
――キーンコーンカーンコーン
ガラガラっ
「ふぅ、間に合ったぁ!!」
希織と一緒に登校してて、
遅刻ギリギリじゃなかったことなんてあったかな?
なんて考えながら
窓際の一番後ろの席に着く。
…あれ?クラス替えしてないのに
なんで私の隣に開いてる席があるんだろう。
「みおー、おはよ!」
「美織、おはよう」
「あ、おはよう」
そんなことを思っていたら、
前の席の瑞穂[みずほ]と斜め前の席の貴[たか]が
話しかけてきた。
この二人と私たち双子は同じ幼稚園で
ちいさい時から仲良し。
「きお、また寝坊したの?」
瑞穂が心配そうに聞いてきた。
「まったく、希織はちっちゃい頃から寝坊ばっかりだよ。」
私は少し呆れたように言った。
「毎朝、希織と一緒じゃなくてもいいんじゃねーの?」
幸斗が冗談混じりに言う。
毎日同じ事を二人に言われるけど
希織をひとりにしたらと思うと心配で仕方なくて
いつも放っとけないんだよね。