令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
土曜の日中は用事がなくなったのでマッタリと過ごし、夕方からバイトに行き栞と会ったが、栞はひどく元気がなかった。俺とのデートが中止になったからだろうけども。


翌日の日曜、俺はおふくろさんと由紀を伴い、おやじさんの、というか松本家の墓がある寺へ向かった。


「悠馬、由紀から聞いたけど、昨日は彼女とデートの予定が中止になったんだって?」


寺に着いて水を汲み、墓に供える花と線香を手に墓石の間を歩いていたら、おふくろさんが不意にそう言った。

由紀をジロッと見たら、由紀は「エヘ」とか言いながら舌をペロっと出した。ま、別に隠してたわけじゃないから構わないのだが。


「まあね」

「だったら、今日すれば良かったんじゃない?」

「今日って、おやじさんの墓参りの方が大事だろ?」

「そうかしら? お父さんは許してくれると思うわよ?」


俺は、おふくろさんの言葉に絶句してしまった。

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