美容師男子×美麗女子
「俺、そんなに勉強してないようにみえるか?」
「いや、だってサボり癖あるじゃん」
「期末は本気でやるんだって」
若干疑いの目をむけてしまう。
だけど、こう見えても千尋はあたしと同じくらいの成績なんだ。
勉強していないように見えて、しっかり単位はとるという苦手なタイプなやつだ。
「じゃあ、行く」
「オッケー」
階段をのぼって、教室の前であたしは千尋と別れた。
まだ痛い視線がささった。
千尋と歩いているだけでこれなんだから、困った。
きっと、彰にふられただとか、彰に遊ばれただとか言ってるんだろうな。
いちいち気にしてられない、放っておけばいいとの意見は彰の意見だった。
あの夜目を覚ましたら、彰は普通に自分の生活をしていた。
制服とスーツ以外の彰の私服も見れたし、生活味のある彰がいた。
普段料理とか作りそうにない顔なのに、なんなくこなしている彰に笑えてきたほどだった。
それだけ、自立生活が長かった事かなって思ったり。
ひどい二日酔いで、彰の手料理は食べられなかったけど。
今でも女の子に囲まれている彰をみると、心配になる。
自虐的なところがあるのが彰の悪い所だと思う。
また、自分が他人を傷つけるんじゃないかとか、そんなこと考えてるんじゃないかって心配になる。