出会いの海岸

3人の女子高生が、昼食を取っていた。3人は新宿にある高校の生徒だった。試験が午前中もはやい時間で終わって、喫茶店にいた。その時ガラス越しに通りの向かいの駐車場かなにかで、必死にクレームを付ける男性の姿が目に入った。3人はそれを見ていた。
有香「ねえ、あれって、明石屋さんたじゃない」
美幸「ああ、うん」
涼子「ええ、どの人が」
有香「向かいのひと。何やってんのかな」
美幸「なんか、クレームつけているみたい」
有香「きっと、車に傷が付いたっていってるんだよ」
涼子「ああ、ほんとだ。芸能人なのにせこい」
有香「なんか、奥に行ったよ」
美幸「責任者でも呼びに行ったんじゃない」
有香「何よ、どこ行くのよ」
美幸「ちょっと、行ってくる」
有香「あんた支払いはどうすんの」
美幸「ああ、お願い。後で払うから」
有香「ほんとうでしょうね」
そういって、美幸は、店を出てサンタのところに、さほど大きくはない通りを渡って、近づいていった。残された2人は、どうするのか迷っていたが、相手が芸能人だったからか、食事を残したまま、支払いをした。
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