初恋草
まぁ、いいや。
今は、せっかくの修学旅行を楽しもう♪
「わりぃ、待たせたか?」
斎藤は、あたしたちとしゃべるときは素の自分で話すけど、他の子達の前では王子様キャラで話す。
気になるけど…
この前、拒絶されたし…
いつか、話してくれると良いな。
「よっしゃ!
行くぞ、イタリア巡り」
陽のその言葉で、あたしたちはホテルの外に出ようとした。
すると、前から小さな男の子が走ってきて陽とぶつかった。
―ドンッ
「うわっ!
びっくりした」
「………」
男の子は、目に涙を浮かべ、泣き出した。